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非常勤講師18名が1陣と2陣に分けて桜美林大学を集団提訴しました

~講師給の実質切り下げを撤回させ、非常勤講師に対する差別的扱いを正し、一時金等を支給させる~

~コロナ禍の影響の非正規へしわ寄せを許さず、日本語閉講科目について講師給100%を補償させる~

【1】桜美林大学ユニオンについて

 首都圏大学非常勤講師組合の組合員のうち、桜美林大学に出講する者を構成員として、昨年8月30日に、非常勤講師組合の分会として結成されました。組合員は80名。2019年度に公表された英語必修科目等の外注化、2020年度からの交換留学生科目等日本語科目の大規模な閉講(一部科目について講師給1か月分のみの補償)と、桜美林大学では、非常勤講師の雇用の維持や収入の確保に配慮を欠いた大学運営が行われており、英語科目、日本語科目を中心に非常勤講師の組合への加入が相次ぎました。その結果、早稲田大学や日本大学などの紛争時に匹敵する規模の組合となった為、桜美林大学の運営を正し、非常勤講師の雇用を確保し、労働条件を改善する為、分会を結成しました。現状は、非常勤講師による組合ですが、今後、非正規の職員にも広げていこうと考えています。

【2】第1陣訴訟について

 第1陣は、昨年9月30日、日本人講師3名、英語講師8名の11名を原告として、東京地裁に提訴しました。この訴訟では、桜美林大学に対し、授業時間の延長に伴い2019年度に支給された調整給の継続支給と専任教職員に支給されている一時金をはじめとする各種手当の支給を非常勤講師にも行うよう求めています。

 訴訟に至った動機としては、第1に、桜美林大学による講師給の実質切り下げを撤回させたい、ということです。桜美林大学は、2019年度に授業時間を90分から100分に延長した際に支給した延長時間分の講師給(調整給)について2020年度以降支給をしていません。講師給の実質切り下げという不利益変更をおこなったのです。現行講師給は月一コマ3万円余り、10コマを担当しても、生活を維持し、研究を継続することが困難な水準です。この講師給を実質切り下げる今回の措置は、絶対に許せません。この訴訟を通じて、必ず、調整給の支給を継続させ、講師給に組み入れさせたい。

 第2に、桜美林大学による非常勤講師に対する差別的扱いを根本から正したい、ということです。桜美林大学の設置科目の全体の54%を非常勤講師が担っています。桜美林大学の教育は非常勤講師なしに成り立たない現状にあるにもかかわらず、大学は、1コマ月3万円あまりの講師給を支払うのみで、各種手当などは一切支給していません。ライフサイクルも踏まえて非常勤講師の生活を維持したり、改善をはかる必要も一切ない、という態度です。桜美林大学が、英語科目の外注化を打ち出し、推進しているのも、非常勤講師の雇用や収入については、なんら配慮する必要は無い、という非常勤講師を差別する考えに基づいて大学が運営されているからです。 特に一次金の支給については、桜美林大学は、専任教職員に対して、一律に6か月+30万円を支払っています。非常勤講師は、大学の授業科目の運営という研究職にしか担えない職務を、専任教員と同等の立場で遂行しています。平均担当コマ数も専任教員と大差はありません。就労時間数が短いというだけの理由で、職員にも一律に支給している一時金を非常勤講師には全く支給しないというのは大学の教員である非常勤講師に対する差別的扱いです。

【3】第2陣訴訟について

 第2陣は、本年4月22日、日本語科目を担当する非常勤講師7名を原告として、東京地裁に提訴しました。この訴訟では、桜美林大学に対して、第1陣で請求した調整給と一時金等手当の支給に加えて、① 2020年度のコロナ禍の影響による日本語の19コマの閉講分の講師給の100%の支給、② 外国人講師に支払っている講師給と日本人講師給との差額の支給、を求めています。

 提訴に至った動機としては、第1に、コロナ禍の影響を非常勤講師にしわ寄せして恥じない桜美林大学の態度を改めさせたい、ということです。組合との交渉の中で、大学側は、コロナ禍は大学の責任ではなく、交換留学生が来日できない為に、閉講となった科目については、(従来の閉講の際の1か月分についても)補償は行なわない、としています。また、交換留学生が来日できないことも大きく影響して、履修者5人未満で閉講とするルールで閉講となった科目についても、1か月分の講師給しか補償しない、という態度でした。コロナ禍の影響の桜美林大学の財政への影響は、直接的には交換留学生の来日ができなかった分だけでほとんど無に等しいと言えます。実際、桜美林大学は、2020年度にも、6か月+30万円の一時金を専任教職員全員に一律支給しており、潤沢な財政状態にあることは明らかです。また、履修5人未満で閉講したとしても、それで学費収入が減少する訳でもありません。閉講になんの責任もない非常勤講師の収入を奪う理由はないのです。履修5人未満での閉講というのは桜美林大学が独自に設定しているルールで、他大学では1人でも履修者があれば開講することが普通に行われています。桜美林大学は、大学の設定したルールにより、閉講になった科目について、講師給の100%を支払うべきです。

 第2に、この問題も、非常勤講師に対する差別的扱いの現れのひとつです。例えば、桜美林大学の専任教職員は、業務外の傷病による休職の場合は、最長2年間基本給の8割が支給されます。また、傷病以外で、特別の事由があって休職させることが適当であると大学が認めた場合の休職では、半年間、基本給の5割が支給されます。非常勤講師は、担当コマに応じて基本給(講師給)が支給されるのですから、専任教職員の休職および有給休職のルールとの均衡を考慮すれば、大学の設定したルールにより休職となったコマについて、その10割が支給されるべきです。また、労働基準法も使用者の責めに帰す休業について、給与の6割以上を補償するよう定めているのですから、閉講となったコマの講師給の6割以上を支給しないことは、労働基準法違反です。 最後に、外国人講師と日本人講師の処遇についての差別的扱いについて、ネイティブの外国人が担当している英語教育プログラムについて、一般講師給より高くなっていますが、日本人講師給を低くする理由が無い為、全体を外国人講師に支払っている講師給に合わせるよう求めています。

【4】最後に

 桜美林大学は、大学の要である設置科目の運営を担っている非常勤講師に対する差別的な取り扱いを止めて下さい。大学教員の雇用を守り、収入減を避けること。また、教育を担い、生活を維持し、研究を継続できる適切な処遇へ向け、労働条件を改善することを求めます。

記事紹介

「Business Journal(ビジネスジャーナル)」にて今回の集団提訴が、取り上げられています。

月給約16万円…専任講師と大きな待遇格差 桜美林大学の非常勤講師が大学を集団提訴(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

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コロナ禍における都立大との団体交渉報告

2021年5月24日に東京都立大学と団体交渉を行ないました。継続協議のものも含め、以下のような回答を得ています。

・病気休暇について

新型コロナウイルスに罹患した場合、常勤であるか非常勤であるかに関わらず、事故欠勤で扱うことを認めている。期間の制限はなく、必要な程度を限度としている。

・PCR検査について

荒川キャンパスにある健康福祉学部で、4月23日から学生と教職員の一部で行なっている。東京都と組んで、内閣府が行なっているモニタリングのスキームを使っている。団交時点で把握している限りでは、健康福祉学部で1回検査を行った学生は学部の半数にあたる約400名。

・非常勤講師給の引き上げについて

講義にかかる時間で時給換算した非常勤講師の金額と比べて、教育、研究、社会貢献、組織運営にかかる時間(みなし労働時間・週38時間)で時給換算した専任教員の金額は低い。故に、不合理な格差でないと説明(継続協議)。

・オンライン手当について

昨年度は、コロナ禍において休講措置をとった後、オンライン授業を実施した。休講期間ついては、事故欠勤として給与を支払っている。また、追加で行なったオンライン分の授業についても、給与を支払っている。また、ノートPC、wifiルーターを教室に設置し、無償で貸与した。

・各種手当について

専任教職員の各種手当については以下のものがあることを明らかにした。

・職務実績手当(入試業務に関わった場合にかかった手当)

・特別手当(顕著な業績を有し、先導的な役割を担う場合)

・特別勤務手当(X線などを扱う場合)

・超過勤務手当

・休日手当

・夜間手当

・管理職休日手当

・通勤手当

・退職金について

退職金が、専任教員に支払われ、非常勤講師に支払われないことについて、職務内容、勤務時間の違いによるもので、不合理でないと主張した。

・非常勤のみなし労働時間について

非常勤のみなし労働時間については、なじまないとの回答。一方で、専任教員は、みなし労働時間で勤務しており、毎日、勤怠をつけているとのこと。

・一時金について

非常勤である会計年度任用職員については、一時金が支払われていることを明らかにした。

以上の回答を受けて、当組合は、引き続き、団体交渉を行ない、労働環境の改善を図っていきます。

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教育機関は国や自治体と協力し、無料で継続的なPCR検査を実施することを求めます。

緊急事態宣言下の各教育機関へ呼びかけます

大学等教職員組合・首都圏大学非常勤講師組合

東京都は、5月31日まで緊急事態宣言を延長しましたが、感染者数は高止まりしたままです。
現在の第4波感染拡大は、これまでよりも感染力が強いイギリス型の変異種が中心になっているとされ、さらに今後はインド型の感染爆発の可能性も残っており、予断を許さない状況が続いています。
以上のような情勢の変化を踏まえ、大学等教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は以下のように決議します。

①  大学および小中高の教育機関は、政府や自治体と協力して、教職員や学生の希望者にPCR検査を毎週無料で実施すること。あわせて、陽性反応が出た場合は、すべての検体を変異型かどうか調べること。すでに全学生・教職員の定期的な無料PCR検査が早稲田大学や東京医療保健大学などで実施されています。

②各教育機関は、ワクチン接種が普及するまで、事情が許す限り、授業は当面オンライン中心にすること。

③各教育機関は、対面授業を実施せざるを得ない場合、希望する教員・学生にはオンライン授業を認める。とくに、基礎疾患があったり、家族に高齢者や病弱な人がいるなどの事情を抱える教職員・学生には十分な配慮をすること。

④各教育機関は厚生労働省の指針(告示430号)及び日本郵便事件最高裁判決にもとづき非正規教職員にも正規と平等な病気休暇を保障すること。無期転換している人は正規と完全に同じ期間(例えば2年間)、有給で認め、有期の人は契約期間の終了までの期間、有給で認めること。

⑤政府および東京都は、元日弁連会長宇都宮健児氏の呼びかけに応えて、国民の命を守るために、東京オリンピックを延期または中止し、資金と医療関係者をコロナ対策に集中すること。

これまでのコロナ禍をめぐる意見の違いを超え、以上の点で力を合わせて難局を乗り越えましょう。

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早稲田大のPCR実施要項について

早稲田大からPCR実施要項が送られてきました。教職員向けですが社会的価値が高いものと考え、以下の通り共有します。

[リンク]早稲田大学のPCR実施要項

実施要項の要点は、以下の通りです。

・5月14日より予約を開始し、5月20日より実施すること。

・検査対象は、学内に入構する学生・教職員で、非常勤講師や派遣スタッフも含まれます。

・早稲田キャンパス、戸山キャンパス、西早稲田キャンパス、所沢キャンパスで実施し、それ以外のキャンパスでは準備中であるとのこと。

・毎週火・水・木に実施すること。

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【緊急速報】早稲田大がPCR検査を学生・教職員に無料で実施へ!

私達は対面授業の継続を発表した早稲田大との4月28日の団体交渉で、

①当面は対面授業でなくオンライン授業中心で授業運営してほしい。

②学内でのPCR検査をせずに対面授業中心を強行しないこと。

③希望する学生や教職員には、対面かオンラインかの選択肢を与えること。

を求めました。

[リンク]対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告

早稲田大学側は団交の場で③についてかなり柔軟な対応を示しましたが、②については本日5月9日に田中愛治総長名で、学生・教職員向けに以下の内容の通知がメールで届けられました。概要を引用しますが、迅速にこのような大きな決定をされたことに敬意を表します。

首都圏大学非常勤講師組合委員長 志田昇

表題:当面の授業形態について

送主:早稲田大学総長 田中愛治
宛先:早稲田大学の学生ならびに教職員
概要:

(1)現時点において今学期の授業を全面オンラインに切り替えることをせず、対面を中心とした授業を継続する予定である。ただし、学内外での感染者数が急増するなどの緊急事態になれば、直ちに方針を転換することも視野に入れる。

(2)持病など様々な事情により対面授業の継続が難しい先生方および学生には配慮するので、学部・研究科等に相談されたい。
(3)今学期は、大人数の講義ではなく、実験やゼミなど対面での授業が必須の科目に限り、教室収容定員の半分以下で対面授業を実施している。本学の感染者数は安定しており、皆さんの理解と協力に、心から感謝している。
(4)早稲田大学は、5月中に、早稲田キャンパス・戸山キャンパス・西早稲田キャンパス・所沢キャンパスにおいて、本学の学生と教職員に対してPCR検査を無料で提供する準備を進めている。その他のキャンパスについても順次、準備を進める予定。詳細は、総務部より今後お知らせする。PCR検査を毎週継続することにより、学内の感染者数の推移をモニタリングでき、学内での無症状感染者の急速な増加に迅速に対処することが可能となるので、1人でも多くの皆さんのご参加をお願いしたい。
(5)学生ならびに教職員の皆さんが、自粛して感染の拡大を防止してくださっていることに、改めて感謝の意を表したい。

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早稲田大学団体交渉報告

講師給引き上げで大きな成果【講師給(50歳以上)は2023年度に1コマ月3万9千円台へ】引き続き交渉を継続します

2021年4月28日、首都圏大学非常勤講師組合と早稲田大学との団体交渉が開催されました。この団交における講師給引き上げ問題に係わる事項について報告します。

Ⅰ.早稲田大学は、講師給の8.3%、月額約3千円の引き上げを提案(講師給は2023年度に月額3万9千円台へ)

早稲田大学は、前回団体交渉において、2020年度の講師給を0.5%改定するとの回答を行い、組合側は、0.5%の改定では、外国人講師給の廃止(国籍による講師給の差別の解消)に伴う調整給の解消に30年以上かかり、明らかに2016年3月の労使合意に反すると指摘し、提案を拒否、再検討を求めました。また、このような状況では神川県労働委員会に救済申立を行うことになることを警告しました。前回団体交渉を受け、今回、早稲田大学は次のような給与改定を提案しました。

2021年度 0.5%改定、2022年度及び2023年度 1.5%改定、および2023年度に授業の100分化に伴う3.8%改定。

Ⅱ.組合側は提案を歓迎しつつ、交渉継続を要求

この提案は、2016年の労使合意で実現された2018年度講師給と比較すると、2019年度及び2020年度の0.5%改定を加えて、8.3%、50歳以上で月額約3000円の引き上げとなるもので、調整給の半分を解消することになります。講師給の引き上げにより格差解消に努力するとの労使合意の趣旨にそった講師給の改定案であり、組合側は、提案を歓迎し、この提案をベースに交渉を継続する限り、労使合意違反として労働委員会に救済申し立てを行うことはしないことを大学側に確約しました。

しかし、2023年度までの総額で3000円の引き上げになるものの、その最大の要因は、授業の100分化に伴う給与改定にあり、ベースとなる通常の給与改定は平均年1%の改善に留まっています。今後もこのペースで改定を行う場合には、残りの8.3%の改定の為に、ほぼ2期8年かかることになり、トータルで今後10年以上を要することになります。やはり、ベースとなる通常の給与改定率が平均1.0%と低すぎることが問題です。組合側は、通常の給与改定率を0.5ポイントずつ引き上げ、2021年度 1.0%、2022年度及び2023年度 2.0% とし、100分化に伴う3.8%の改定を加えて、2019年度からの改定を9.8%の引き上げとすることを求めました。この場合は、通常の講師給引き上げは、年平均1.5%となり、残りの6.8%の改定を1期4年程度で達成できることになります。組合側のこの対応を踏まえ、非常勤講師給改定問題については、引き続き団体交渉を継続することとなりました。

Ⅲ.非常勤インストラクターの給与改定について

また、非常勤インストラクターの給与改定については、組合側は、非常勤講師給との顕著な格差の解消を求めてきました。今回の給与改定提案では、通常の改定については、非常勤講師給と同率での改定が提案されましたが、100分化に伴う講師給改訂については、11.2%とし、格差を縮小する提案が行われました。組合側は、この提案を歓迎するとともに、通常の改定率についても、格差解消の観点から、非常勤講師給の引き上げ率に対して1ポイントの上乗せを行うことを提案しました。

大学側は、組合側対応を踏まえた交渉継続の前提として、組合員である非常勤インストラクターの少なくとも1名について顕名を行うよう組合側に求め、組合側は検討を約束しました。

早稲田大学 団体交渉担当 今井 拓

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命の平等を守るために

(1)契約の違いは命の軽重なのか?

医師の診断書を提出して遠隔授業を希望した教員が解雇された事案で、私達は今年の3月25日に共立女子大学と団体交渉を実施しました。そのとき大学側の出席者は「病気になったら専任(正規)は休職制度を使えるが、非常勤(非正規)にはそんな権利は与えない」との趣旨の発言をしました。非正規の使い捨てをあからさまに正当化する態度に私達は衝撃を受けました。

(2)非正規の健康も大事です。

そもそも使い捨ててよい人間などいません。コロナ禍は、立場の弱い非正規労働者もリスクのある仕事をしないわけにはいかないことを明るみに出しました。

そうした人達は、自分に疾患があったとき、家族に高齢者・重病患者がいるときなど、本当に休まなければいけないタイミングでのリモートワークも休みも認められていない場合が多いのです。しかも、経営の都合で簡単に切られてしまう。もっと非正規の健康も大切にされるべきです。

(3)平等を求める規範を発見!

教育機関の非常勤講師についていえば、第一に申請すればオンライン授業を選択できるようにすべきです。また本当に疾患にかかったら、しっかり休めるようにすべきです。有給や休業、制度はいろいろ考えられます。

(早稲田大は団交で、申請すれば遠隔を検討し、病休も認めました。補講をすればそのぶんの減給もしないと約束しました。リンク:超速報!対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告

しかし、最低限必要な自衛策が認められていない職種は国内に無数にあります。働く誰もが「必要なときに」「平等に」休業できるような規範はあるのでしょうか?

すでに非正規の休職制度を実現した開智学園教職員組合(新)は、以下の厚労省の告示を私達に教えて下さいました。パート・有期法の施行を控え、2018年12月28日に厚労大臣名で出された【厚労省告示430号】には明確にこのように書かれています。

『短時間労働者(有期雇用労働者である場合を除く。)には、通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなければならない。また、有期雇用労働者にも、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職の取得を認めなければならない。』 

リンク:厚労省告示430号

この指針を使わずに労使の力関係だけで争うべきではないでしょう。

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超速報!対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告

【超速報!対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告】

(1)私達組合の立場:緊急事態宣言下で対面授業を継続するなら、そのための必要条件としてPCR検査を学内で実施するよう求めています。先行例として、東京都も大学などでモニタリング検査を開始しています。(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC232OC0T20C21A4000000/
(2)そして教職員だけでなく学生にも十分に意見聴取したうえで、基礎疾患があったり、家庭に高齢者・重病患者を抱える人たちが遠隔を選べるよう環境整備するべきだと求めています。
(3)対面授業を強く推進してきた近畿大で240人(累計)の学生が新型コロナウイルスに感染したなか(https://www.kindai.ac.jp/news-pr/important/2021/04/032265.html)、私達は4月23日に早稲田大学に上記の趣旨で団交を申し入れましたが、大学当局の反応は早く、わずか5日後に団交で一定の成果を得ました。元々予定されていた団交に議題をのせた形ですが、解決への強い意思を示してくれたことには率直に感謝したいと思います。団交で確認または合意できたことは以下の通りです。

 ①大学側は、基本的には対面授業で行なうことを考えている。大学としては去年一年間我慢させた学生に対し申し訳なかったという思いもある。少なくとも1回以上対面とする講義は60数%、全面的に対面とするのは(同時中継のハイフレックス式も含め)40%程度と見積もっている。
②ただし、教員であれ学生であれ、対面が困難な状況にあれば救済はちゃんとやる。具体的には、基礎疾患の診断書等があれば即座に対応し、遠隔等の方策を考える。
③家庭内に高齢者や重病患者がいる場合も対応を考えるが、線引きは一概に言えない。
④教員が病気等で欠勤しても、大学は給与をカットせず支払う。ただし、補講をやってほしい。補講はオンデマンドで構わない。
⑤教員に新型コロナ感染症による欠勤が生じ、長期化した場合の取り扱いについては、期限の設定も含めて今後検討する。
⑥欠勤扱いの期限等について専任教員との差別は不合理な格差であるとの組合側の主張の内容は理解した。

【所感】
4月23日に総長から対面維持のメッセージが届いた際は、緊急事態宣言発令のタイミングとも重なり、教員に不安が拡がりました。団交申し入れから週末を挟んでわずか数日でいろいろなセーフティネットを構築してくれたことはさすがと言うしかない反面、まだ以下の課題も残りました。


①大学当局は実際にコロナ感染症に罹患した非常勤講師にはしっかり休ませ、解雇・雇止めをしない方針であると確認できました(注:コロナは労災対象です)。ただ、比較的短期間に職場復帰できなかった場合については(代講などの措置はあるにしても)まだ具体的な対応はルール化されていない模様です。組合としても、個別のケースにあわせて柔軟に対応できる方が望ましいと考えますが、今後は非常勤講師にも専任教員に近い形での(セーフティネットとしての)休職制度を議論する必要があるでしょう。
②実際に基礎疾患があればオンライン対応等を検討してくれることは確認できましたが、「診断書はないが、大勢が密集することに恐怖を感じる」という人にどう対応するかは大学当局も具体的には決めていない模様です。しかし、相当数の教職員・学生がこうした不安を抱えていることは現場感覚として明らかであり、早稲田大がそうした声を十分拾えているかというと疑問が残ります。他大学の事例では対面と遠隔を学生に自由に選んでもらったら、3分の2以上が後者を選んだという実態も報告されています。変異型は従来の型よりも若者への感染力を高めているなか、こうした層にも人道的見地から柔軟な対応をすることは極めて重要なのではないでしょうか。この点については大学から具体的な対応策を示すよう、今後も強く求めてゆくことになるでしょう。
③早稲田大学当局は「授業中は安全だ」と主張し、その根拠を団交で示しましたが、その前後のタイミングで感染のリスクが増す可能性については否定できていません。総合的に判断すれば、緊急事態宣言の実効性担保に逆行しているという批判は免れないものと感じました。ならばやはりPCR検査にアクセスしやすい環境を学内に作ることは大学の責務ではないかとあらためて実感しました。

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対面授業継続を発表した早稲田大学に申し入れ

対面授業継続を発表した早稲田大学に申し入れ(団交申入)をしました。対面か遠隔かの選択権を。命を守るための平等な病気休暇を。

申入書兼団交申入書(早稲田大学) (2021年4月23日付)

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強制への違和感

共立女子学園(東京)と東洋英和女学院大学について

【共立女子学園(東京)について】
基礎疾患についての医師の診断書を提出してオンライン授業を希望した講師らに対して、共立女子学園は3月24日に雇用契約の解約を決定し、通告してきました。
しかも、その日は私達組合との団体交渉予定日として共立女子側が提案してきた3月25日の前日です。
他に方法がなく、私達は組合事務所がある神奈川県の労働委員会に、不当労働行為救済の申立書を4月13日に提出しました。
何より求めているのは当事者二人の復職なのですが、私達は教職員の組合なので「対面授業以外は認めない」とする学園の姿勢に強い違和感を抱きます。
私達は教育の場で対面授業が重要であることは否定しません。しかし一般的な問題として、こと安全配慮の面では事情ある学生や教職員に対して柔軟な対応をすべきだと考えます。
一切の異議を認めない偏頗な対応は、いろいろな意見表明や申告を萎縮させ、感染を潜在化させる側面もあるのではと危惧します。現に4月以降、共立女子大では複数の陽性者が出ていると大学みずからHPで公表しているなか、人権上の問題としても、学生や教職員に選択肢を与えた上で、徹底した感染症対策を講じるべきではないでしょうか。教育に強制は馴染みません。

記者会見する志田委員長(右)と佐々木副委員長(左)

労働契約法第五条 《使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。》(安全配慮義務)

【東洋英和女学院大学について】
長く教壇に立っていた●●講師の問い合わせに対する大学側の回答の抜粋。《(原文のまま)●●先生は、本学の授業運営方針及び感染対策ガイドラインにご納得いただけていないものと理解いたしましたが、本学としても先生がなおご不安を感じておられる中で、本学での授業を無理にお願いすることはできないと考えております。
したがいまして、2021年度については、●●先生に授業のご担当をいただかないことで考えておりますが、この点についてお考えがあればお教えいただきたく思います。》
●●講師はそのまま契約を切られたので、私達組合は大学に団体交渉を申し入れました。(5月7日実施)

私達は関東の殆どの大学に組合員を擁するので情報を集めましたが、大学ごとの対応があまりに違うことに驚いています。文科省が柔軟な対応と求めていることもあり、この4月中でも方針を変えた大学もある反面、一切の変更を拒否する大学も多いのが現状です。何が学生(その家族含む)や教職員にとってよいことなのか、簡単な結論を得ることは難しいのですが、せめて【問答無用の強制】には抗してゆこうと考えています。
今後何かあればツイッターアカウント:@hijokin_tokyo で発信します。

不当労働行為救済申立の代理人 佐々木信吾 (組合副委員長)