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非常勤講師18名が1陣と2陣に分けて桜美林大学を集団提訴しました

~講師給の実質切り下げを撤回させ、非常勤講師に対する差別的扱いを正し、一時金等を支給させる~

~コロナ禍の影響の非正規へしわ寄せを許さず、日本語閉講科目について講師給100%を補償させる~

【1】桜美林大学ユニオンについて

 首都圏大学非常勤講師組合の組合員のうち、桜美林大学に出講する者を構成員として、昨年8月30日に、非常勤講師組合の分会として結成されました。組合員は80名。2019年度に公表された英語必修科目等の外注化、2020年度からの交換留学生科目等日本語科目の大規模な閉講(一部科目について講師給1か月分のみの補償)と、桜美林大学では、非常勤講師の雇用の維持や収入の確保に配慮を欠いた大学運営が行われており、英語科目、日本語科目を中心に非常勤講師の組合への加入が相次ぎました。その結果、早稲田大学や日本大学などの紛争時に匹敵する規模の組合となった為、桜美林大学の運営を正し、非常勤講師の雇用を確保し、労働条件を改善する為、分会を結成しました。現状は、非常勤講師による組合ですが、今後、非正規の職員にも広げていこうと考えています。

【2】第1陣訴訟について

 第1陣は、昨年9月30日、日本人講師3名、英語講師8名の11名を原告として、東京地裁に提訴しました。この訴訟では、桜美林大学に対し、授業時間の延長に伴い2019年度に支給された調整給の継続支給と専任教職員に支給されている一時金をはじめとする各種手当の支給を非常勤講師にも行うよう求めています。

 訴訟に至った動機としては、第1に、桜美林大学による講師給の実質切り下げを撤回させたい、ということです。桜美林大学は、2019年度に授業時間を90分から100分に延長した際に支給した延長時間分の講師給(調整給)について2020年度以降支給をしていません。講師給の実質切り下げという不利益変更をおこなったのです。現行講師給は月一コマ3万円余り、10コマを担当しても、生活を維持し、研究を継続することが困難な水準です。この講師給を実質切り下げる今回の措置は、絶対に許せません。この訴訟を通じて、必ず、調整給の支給を継続させ、講師給に組み入れさせたい。

 第2に、桜美林大学による非常勤講師に対する差別的扱いを根本から正したい、ということです。桜美林大学の設置科目の全体の54%を非常勤講師が担っています。桜美林大学の教育は非常勤講師なしに成り立たない現状にあるにもかかわらず、大学は、1コマ月3万円あまりの講師給を支払うのみで、各種手当などは一切支給していません。ライフサイクルも踏まえて非常勤講師の生活を維持したり、改善をはかる必要も一切ない、という態度です。桜美林大学が、英語科目の外注化を打ち出し、推進しているのも、非常勤講師の雇用や収入については、なんら配慮する必要は無い、という非常勤講師を差別する考えに基づいて大学が運営されているからです。 特に一次金の支給については、桜美林大学は、専任教職員に対して、一律に6か月+30万円を支払っています。非常勤講師は、大学の授業科目の運営という研究職にしか担えない職務を、専任教員と同等の立場で遂行しています。平均担当コマ数も専任教員と大差はありません。就労時間数が短いというだけの理由で、職員にも一律に支給している一時金を非常勤講師には全く支給しないというのは大学の教員である非常勤講師に対する差別的扱いです。

【3】第2陣訴訟について

 第2陣は、本年4月22日、日本語科目を担当する非常勤講師7名を原告として、東京地裁に提訴しました。この訴訟では、桜美林大学に対して、第1陣で請求した調整給と一時金等手当の支給に加えて、① 2020年度のコロナ禍の影響による日本語の19コマの閉講分の講師給の100%の支給、② 外国人講師に支払っている講師給と日本人講師給との差額の支給、を求めています。

 提訴に至った動機としては、第1に、コロナ禍の影響を非常勤講師にしわ寄せして恥じない桜美林大学の態度を改めさせたい、ということです。組合との交渉の中で、大学側は、コロナ禍は大学の責任ではなく、交換留学生が来日できない為に、閉講となった科目については、(従来の閉講の際の1か月分についても)補償は行なわない、としています。また、交換留学生が来日できないことも大きく影響して、履修者5人未満で閉講とするルールで閉講となった科目についても、1か月分の講師給しか補償しない、という態度でした。コロナ禍の影響の桜美林大学の財政への影響は、直接的には交換留学生の来日ができなかった分だけでほとんど無に等しいと言えます。実際、桜美林大学は、2020年度にも、6か月+30万円の一時金を専任教職員全員に一律支給しており、潤沢な財政状態にあることは明らかです。また、履修5人未満で閉講したとしても、それで学費収入が減少する訳でもありません。閉講になんの責任もない非常勤講師の収入を奪う理由はないのです。履修5人未満での閉講というのは桜美林大学が独自に設定しているルールで、他大学では1人でも履修者があれば開講することが普通に行われています。桜美林大学は、大学の設定したルールにより、閉講になった科目について、講師給の100%を支払うべきです。

 第2に、この問題も、非常勤講師に対する差別的扱いの現れのひとつです。例えば、桜美林大学の専任教職員は、業務外の傷病による休職の場合は、最長2年間基本給の8割が支給されます。また、傷病以外で、特別の事由があって休職させることが適当であると大学が認めた場合の休職では、半年間、基本給の5割が支給されます。非常勤講師は、担当コマに応じて基本給(講師給)が支給されるのですから、専任教職員の休職および有給休職のルールとの均衡を考慮すれば、大学の設定したルールにより休職となったコマについて、その10割が支給されるべきです。また、労働基準法も使用者の責めに帰す休業について、給与の6割以上を補償するよう定めているのですから、閉講となったコマの講師給の6割以上を支給しないことは、労働基準法違反です。 最後に、外国人講師と日本人講師の処遇についての差別的扱いについて、ネイティブの外国人が担当している英語教育プログラムについて、一般講師給より高くなっていますが、日本人講師給を低くする理由が無い為、全体を外国人講師に支払っている講師給に合わせるよう求めています。

【4】最後に

 桜美林大学は、大学の要である設置科目の運営を担っている非常勤講師に対する差別的な取り扱いを止めて下さい。大学教員の雇用を守り、収入減を避けること。また、教育を担い、生活を維持し、研究を継続できる適切な処遇へ向け、労働条件を改善することを求めます。

記事紹介

「Business Journal(ビジネスジャーナル)」にて今回の集団提訴が、取り上げられています。

月給約16万円…専任講師と大きな待遇格差 桜美林大学の非常勤講師が大学を集団提訴(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)