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超速報!対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告

【超速報!対面授業問題で早稲田大学との団体交渉の報告】

(1)私達組合の立場:緊急事態宣言下で対面授業を継続するなら、そのための必要条件としてPCR検査を学内で実施するよう求めています。先行例として、東京都も大学などでモニタリング検査を開始しています。(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC232OC0T20C21A4000000/
(2)そして教職員だけでなく学生にも十分に意見聴取したうえで、基礎疾患があったり、家庭に高齢者・重病患者を抱える人たちが遠隔を選べるよう環境整備するべきだと求めています。
(3)対面授業を強く推進してきた近畿大で240人(累計)の学生が新型コロナウイルスに感染したなか(https://www.kindai.ac.jp/news-pr/important/2021/04/032265.html)、私達は4月23日に早稲田大学に上記の趣旨で団交を申し入れましたが、大学当局の反応は早く、わずか5日後に団交で一定の成果を得ました。元々予定されていた団交に議題をのせた形ですが、解決への強い意思を示してくれたことには率直に感謝したいと思います。団交で確認または合意できたことは以下の通りです。

 ①大学側は、基本的には対面授業で行なうことを考えている。大学としては去年一年間我慢させた学生に対し申し訳なかったという思いもある。少なくとも1回以上対面とする講義は60数%、全面的に対面とするのは(同時中継のハイフレックス式も含め)40%程度と見積もっている。
②ただし、教員であれ学生であれ、対面が困難な状況にあれば救済はちゃんとやる。具体的には、基礎疾患の診断書等があれば即座に対応し、遠隔等の方策を考える。
③家庭内に高齢者や重病患者がいる場合も対応を考えるが、線引きは一概に言えない。
④教員が病気等で欠勤しても、大学は給与をカットせず支払う。ただし、補講をやってほしい。補講はオンデマンドで構わない。
⑤教員に新型コロナ感染症による欠勤が生じ、長期化した場合の取り扱いについては、期限の設定も含めて今後検討する。
⑥欠勤扱いの期限等について専任教員との差別は不合理な格差であるとの組合側の主張の内容は理解した。

【所感】
4月23日に総長から対面維持のメッセージが届いた際は、緊急事態宣言発令のタイミングとも重なり、教員に不安が拡がりました。団交申し入れから週末を挟んでわずか数日でいろいろなセーフティネットを構築してくれたことはさすがと言うしかない反面、まだ以下の課題も残りました。


①大学当局は実際にコロナ感染症に罹患した非常勤講師にはしっかり休ませ、解雇・雇止めをしない方針であると確認できました(注:コロナは労災対象です)。ただ、比較的短期間に職場復帰できなかった場合については(代講などの措置はあるにしても)まだ具体的な対応はルール化されていない模様です。組合としても、個別のケースにあわせて柔軟に対応できる方が望ましいと考えますが、今後は非常勤講師にも専任教員に近い形での(セーフティネットとしての)休職制度を議論する必要があるでしょう。
②実際に基礎疾患があればオンライン対応等を検討してくれることは確認できましたが、「診断書はないが、大勢が密集することに恐怖を感じる」という人にどう対応するかは大学当局も具体的には決めていない模様です。しかし、相当数の教職員・学生がこうした不安を抱えていることは現場感覚として明らかであり、早稲田大がそうした声を十分拾えているかというと疑問が残ります。他大学の事例では対面と遠隔を学生に自由に選んでもらったら、3分の2以上が後者を選んだという実態も報告されています。変異型は従来の型よりも若者への感染力を高めているなか、こうした層にも人道的見地から柔軟な対応をすることは極めて重要なのではないでしょうか。この点については大学から具体的な対応策を示すよう、今後も強く求めてゆくことになるでしょう。
③早稲田大学当局は「授業中は安全だ」と主張し、その根拠を団交で示しましたが、その前後のタイミングで感染のリスクが増す可能性については否定できていません。総合的に判断すれば、緊急事態宣言の実効性担保に逆行しているという批判は免れないものと感じました。ならばやはりPCR検査にアクセスしやすい環境を学内に作ることは大学の責務ではないかとあらためて実感しました。